三日月の夜に 愛に恋

月語りと好き語りでお月愛

いつかの月に見た ひこうき雲

 

 

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感覚であれ、具体的な事象であれ、
一瞬「あ」と思ったこと、一瞬強力に光ったもの。

 


その瞬間を鋭い刃物で切り取りすくい上げて、
極度の慎重さをもって、歌に仕立てていく。

 


「瞬間を切り取る」

 

 

それがユーミンの歌。

酒井順子さんは語る。

 

 

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キラキラと輝いた1973年〜バブル崩壊の年に
ユーミンが遺した「甘い傷痕」の20曲を選び
そのうたが世の中に与えた影響を検証した本。

 


その初っ端は開けられたパンドラの箱

 


ひこうき雲

YouTubeより

 


この曲のテーマは、命のおわり。

哀しいはずなのにどこか軽やか。

 

 

ひこうき雲にはユーミンの小学生時代の同級生のモデルがいることを、この本を読んで初めて知った。その友だちはすごいお金持の子で、難病で足が悪いわがまま坊主。

 


ユーミンはその友だちに

「 そういう足の悪いふりをするのはやめなさいよ 」

そう言えてしまうような関係だったらしい。

 


小学校を卒業した四年後、その子が亡くなった知らせが届き、ユーミンは遺影の中の知らない高校生と再会する。

 

 

結局昔のことっていうのは
フローズンになっちゃうんだな。
ユーミン

 


ひこうき雲その事がインパクトになり

高校の終わりか大学の頭に作ったそうだ。

 


それは、死の悲しさや哀悼の意を表現したものではなく、「人間は死ぬ」という一瞬の感覚が一つの曲に閉じ込められてると酒井順子氏は言う。

 


死んだ人間は、ある時の姿のまま

他人の記憶の中でフローズンされる。

 


何だか少しわかるような気がした。

 


義父は、あの時の笑顔の姿のまま

私の記憶の中でフローズンしてる。

 

 

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さっきまで耳障りに思えた

子ども達の声が消えた店内

 


なぜだか急に肌寒く感じた

 

 

空に憧れて空をかけてゆく

あの子の命は  ひこうき雲

 


子どもは元気があればいい

子どもは煩い位が丁度いい

 

 

 

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家族揃っての最後の旅行先で

いつかの月に見たひこうき雲

 

 

ひこうき雲の下に君たちの姿

眩しすぎる君たちを見ながら

私がその時切り取った瞬間は

 

 

それは悲しいものでも

淋しいものでもなくて

 

 

何処までも果てしなく

ぐんぐんと伸びてゆく

 

 

 

 

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君たちの輝く未来