三日月の夜に 愛に恋

月語りと好き語りでお月愛

今日は5月12日。牡牛座の新月、そして。

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私が社会人一年生だったその昔。まだ看護師の多くはワンピース型の白衣を着て、頭にはナースキャップを被っていた。そのナースキャップも、不衛生、ナースマンが増えてきたなど時代の流れと共に使われなくなった。制服もカラフルなものが増え、より動きやすい実用的なものに変わっていった。




現場のナースキャップはなくなったけれど、看護の精神を象徴するものとして、学生が将来の道を歩むためのセレモニーでは今も用いられているようだ。




看護学校二年生。看護職への認識や決意を新たにするべく初めての病院実習前にその儀式は行われた。




戴帽式




教員から一人ずつナースキャップをつけてもらった後、ナイチンゲールの灯からキャンドルに灯をいただく。それはとても静かで厳かな儀式で、今も私の記憶の引き出しの中にしっかりと仕舞い込まれている。




看護師という職業に対する意識を高め、その責任の重さを自覚させる為に執り行われている儀式。憧れの職業に一歩近づいた嬉しさと同時に、これから背負うであろう責任を感じる瞬間でもあった。今思うと、その時に感じた重さなんて、まだまだ軽ーいものだったのだけど。




🌑🌑🌑




今年に入り、思うところありパートに出始めた。コロナの最前線で働くナースの事を思うと、週に数日働くだけで看護師をしてます、なんて大きな声で言えやしない。だけど、今はこれが気力体力ともに私のギリギリ、精一杯。そして、やっぱりこの仕事は、責任は重いけど実に素晴らしい仕事だと思う。




多くのナースと一緒に働いていて感じるのは、看護師の存在ってこんなにも安心感があるのか!という事。ここにいる人全員が看護師なんだと思うと、うまく説明できないけど凄く力が湧いてくる。んー、なんて言うのかな。今ここで私の具合が悪くなったとしても、安心して倒れることが出来ると言ったら少しは伝わるだろうか。笑




働く人の年代は様々。勿論、働いている理由も人それぞれだろう。仕事は忙しく勤務中に世間話をする時間などは無い。昼食も個食。仕事以外の会話は殆ど無いが、偶々耳にした話では今の若い方たちは国を全く信用していないから将来を考えて自分なりの働き方をしている人が多いということだった。




昔みたいに大きな病院で長く働くのではなく、自分のライフスタイルに合わせてダブルワーク、トリプルワークなど多様な働き方をしているようだ。皆と話すことは殆ど無いけれど、それぞれ色んな事を抱えながら働いているし、それぞれに色んな理由があって働くことが出来ないでいる人もいる。




先日、私がママとしてもナースとしても尊敬してるブログ友だちの、のんちさんのブログを読んだ。 



うんうんと頷きながら読んだ。加筆修正されたものも読んだよ。本当にその通り。一度でも看護師として働いたことがある人にとって、この未曾有のコロナ禍はとても平常心ではいられない出来事だ。離職して長くなり、もう現場に戻ることは到底無理だとわかっていても、医療現場逼迫などのニュースを目にして心がざわざわしない訳がない。夢にだって出てくるほどだ。





免許があるから、すぐに明日から働けるだろ、なんて簡単なもんじゃない。人の命を預かる仕事は、そんな簡単なものじゃない。ほんとうに、本当に、最前線にいる人も、そうじゃ無い場所にいる人も、働きたくても働けない人だって、それぞれにいろんな事を抱えて生きている。



看護師を必要とする現場は、病院だけでなく、在宅にも、施設にも、学校にも、保育園にも、たくさん、たくさんある。ーのんちさんのブログよりー




いつだったかグループホームで働き始めた私が、母に愚痴ったことがある。それまで病院でしか働いた事がなかった私が、長い離職期間を経て働き始めた頃のことだった。私の想像とは全く違う現場に大層戸惑ったのだ。




母は言った。母と言うよりかは看護師の先輩としての言葉だった。




つきちゃん。でも、それは誰かがやらなきゃならない仕事なんだよ。そして、それは誰もが出来る仕事じゃないよね。やっぱり看護師はね、誰でもやっていい仕事じゃないと思うよ。優しい人じゃないとやってはいけない仕事かもしれないね。




母は私よりもナイチンゲール精神溢れる人。私は、そんなに優しくなんかない。




🌑🌑🌑
 



戴帽式のセレモニーでは、全員がナースキャップを戴帽後、ナイチンゲール誓詞を全員で読唱する。


ナイチンゲール誓詞」

われはここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わん。
わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。
われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。
われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし。
わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし。
われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん。




このナイチンゲール誓詞。今となっては、ところどころ忘れてしまっている。でも、私の母はこれをずーっと長いこと覚えていた。もしかしたら、ついこの前のことを忘れてしまいがちな今も、覚えているかもしれない。




今は、自分に出来る事するよ。誰かがやらなきゃならない仕事があって、それが私にも出来る事だというなら、やってみたい。




ねぇお母さん、ナイチンゲール誓詞覚えてる?




牡牛座の新月となった5月12日は看護の日。







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フローレンス・ナイチンゲールの誕生日だねー1820年5月12日 - 1910年8月13日ー